OpenClaw vs Hermes Agent を比較する|2026年のAIエージェント論争を整理

オープンソースのエージェントを選ぶとき、OpenClaw と Hermes Agent が候補に並びます。狙いが正反対だからです。片方は「制御盤」で、もう片方は「自己改善する実行環境」です。どちらが向いているかは用途で決まります。両方を使っている立場から、2026 年 9 月時点の動向を整理します。

そもそも何が違うのか

大きく分けると、設計の中心が違います。

  • OpenClaw。ゲートウェイを中心にした「制御盤」です。複数チャネルの配信と、チームで共有するエージェント基盤を組みます。
  • Hermes Agent。Nous Research 製の「自己改善する実行環境」です。タスクの後に自分でスキルを書き出し、次回から速くなります。

2026 年春までは「OpenClaw はオーケストレーション、Hermes は自己改善」と切り分けられました。9 月時点では境目が動いています。OpenClaw 2.0 がスキルの自動学習(Skill Workshop)を入れ、Hermes が Bot Mode と 27 以上のメッセージング連携を揃えました。それでも中心の置き場所は変わっていません。

設計思想の違いを比べる

9 月時点の両者を表にまとめます。

項目OpenClawHermes Agent
最新リリースv2026.9.4(9月11日)v0.21.2(9月11日)
言語TypeScriptPython
位置づけ共有型のエージェント制御盤自己改善する実行環境
マルチエージェント共有セッション、複数人での監督Bot Mode、bot 同士のグループチャット(2〜6 体)、A2A
スキルClawHub と Skill Workshop(自動学習)使用経験から自動生成、Skills Hub
メッセージング20 以上のチャネル27 以上の連携
メモリクロスセッションの記憶と検索上限付きの厳選メモリ、SQLite FTS5 の検索
セキュリティの初期値サンドボックスはデフォルトでオフスマート承認がデフォルトでオン
ホスト版自前の有償ホストなしHermes Cloud と Nous Portal

この表は Composio が 9 月 15 日に公開した比較をもとにしています。以前の「スキルは OpenClaw が静的で Hermes だけ育つ」という構図はもう古いです。差が残るのは、人が集まって使うか、エージェント単体が育つかという軸です。

コミュニティの評価は割れている

r/openclaw(約 10 万 3,000 人)の議論を分析した Kilo の記事があります。25 のスレッドと 1,300 件超のコメントを調べても、明確な勝者はいないという結論です。支持はおおよそ 4 つに分かれます。

  • OpenClaw を使い続ける層が約 35%。統合の広さと大きなスキルエコシステムが理由です。
  • Hermes に切り替えた層が約 30%。セットアップの簡単さと、デフォルトで効く記憶が理由です。
  • 両方を使う層が約 20%。OpenClaw を司令塔、Hermes を実行担当に据えます。
  • Hermes の宣伝工作を疑い、距離を置く層が約 15%。

OpenClaw への不満で最も多いのは、記憶が期待通りに残らないことです。Hermes への不満は、リリース歴が浅く安定性の実績が少ないことです。

実際の数字で見る勢い

出典のある数字だけを挙げます。

  • GitHub のスターは、OpenClaw が約 39 万、Hermes が約 24.5 万です(Composio、9 月 15 日時点)。
  • OpenRouter のアプリ別ランキングでは、Hermes がトークン量の 1 位です。累計で約 50.5 兆トークンと表示されています。ただし OpenRouter 経由の利用だけを数える指標です。
  • Hermes の公式手順は OpenClaw からの移行を前提にしています。hermes setup が ~/.openclaw を自動検出し、hermes claw migrate --dry-run で移行内容を事前に一覧できます。

スターの差は届いた範囲を、OpenRouter の値は使われた量を表します。どちらも「どちらが良いか」の答えではありません。両方を使う層が 2 割います。それが今の現実です。

用途別の選び方

結局どう選ぶか。状況から引ける表にしました。

やりたいこと向いている方
チームで同じエージェントセッションを共有・引き継ぎたいOpenClaw
使うほど自分の作業に合わせて速くなる自動化が欲しいHermes Agent
Telegram や Slack など多数のチャネルを 1 つの入口にしたいOpenClaw
調査やコーディングの専門 bot を人格ごと育てたいHermes Agent(Bot Mode)
サーバ運用を持たずホスト側に任せたいHermes Cloud / Nous Portal
OpenClaw の資産を残したまま学習ループを試したい両方。まず migrate を dry-run

迷ったときの決め方は 1 つです。「人と共有したいか」を先に考えます。 共有が主目的なら OpenClaw、単体の成長が主目的なら Hermes、両方なら並べて使います。

今週できる最初の一歩

比較を読んでも、差は実感できません。今週、次のどちらかだけ試します。

  • まだどちらも入れていない人。毎週繰り返す作業を 1 つ選び、Hermes を入れて同じタスクを 2 回実行します。2 回目にスキルや記憶が効いたかを見るだけです。
  • すでに OpenClaw を使っている人。hermes claw migrate --dry-run を実行し、移行候補の件数だけを確認します。dry-run なので本番データは変わりません。私が 8 月に試した手順と結果は移行 dry-run の記事に書いています。

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出典

一次情報確認した内容
Composio: OpenClaw vs Hermes Agent(2026年9月15日)最新リリース、機能差、スター数、OpenRouter の順位
Kilo: OpenClaw vs Hermes 2026 — 1,300 Reddit Comments Analyzedr/openclaw の 25 スレッド、1,300 件超のコメント分析
Hermes Agent公式repositoryhermes claw migrate、セットアップ時の ~/.openclaw 検出
Hermes Agent公式ガイド: Migrate from OpenClaw移行対象、dry-run、preset の仕様
OpenClaw公式ドキュメントゲートウェイの役割、チャネル、標準ディレクトリ

このテーマは産みの途中です。エージェントの進化が早く、比較の評価も短期間で変わります。気になる変化があればこの記事も更新します。

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